2004年 11月 06日
今日は朝から法事で正座。
1年前に死んでしまったおばあちゃんのために、多くの親戚が集まった。 母親は「生きている間に会ってあげればいいのに…」と毒づき、父親は無地の靴下が見つからず困惑していたが(母の趣味だ)、概ね平均的な法事であった。 しかしそんな平均的な法事にも、一つだけ平均的で無い出来事があった。 それは、お経が終わったお坊さんにお茶菓子を出し一息ついていた時だった。お坊さんは自分の寺で出している精進料理の話をしていた。 「まあ精進料理と言っても、今じゃ野菜が高くって肉より元手がかかりますけどな。うはは」 その瞬間、周囲の空気が一瞬で凍り付いた。お坊さんは続けた。 「あれ?そういえばここのおばあちゃんも、野菜を育ててませんでしたっけ?」 「…」 誰も返事をしない。 「今はあの畑どうしてるんですか?」 「…」 ふと周囲を見回すと、滝のように汗をかいているウチの父親を親戚中が冷ややかに見ている。お坊さんは、何か良からぬ空気を感じたのだろう、原付でさっさと帰って行った。 後で母親から聞かされたところによると、おばあちゃんが丹精込めて作っていた畑を、ウチの父親が売ってしまったのだと言う。 「耕す人もおらず、荒れてゆく畑を見るのはしのび無かった」と父は言っていたが、果たして本当のところはどうか? と言うのも僕は今、父が新しく買ったパソコンでこれを書いているのだ。
by taketoshinkai
| 2004-11-06 23:57
| うそ日記
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