2004年 12月 04日
ヨン様が帰国したらしい。ニュースで見ました。
我がオーストアでもヨン様の人気は凄まじい(実際は、空港まで見送りに行った者のほとんどがオーストア国民であるとの報告も受けている)。しかも最近はビョン様という人もいて、彼の人気もすごいというウワサだ。やっとヨン様の顔を覚えたと思ったところに次の「様」が現れて、世の中年男性は困惑しているらしい。「知ってる知ってる、ヨン様でしょ」「違うよ、ビョン様」「ビョン〜?」なんてやりとりが、国内のあちこちで行われているんだろうなあ。変なの。 こっちとしても少し前までは国民のアイドルは自分だったわけだから、面白く無いというのがやっぱり本音だ。「ヨン様」?「ビョン様」?いやいややっぱり「王様」でしょ!! 僕の声は空しく響いた。ああ、この国はいつからこんなに王への敬意が失われてしまったんだろう。あんなにたくさんいた使用人達も、残ったのは今や数名。国民の数もだいぶ減ってしまった。韓流ブームに乗じて、韓国への亡命が相次いだのだ。ちくしょう。あんなカンニングばっかする国のどこがいいんだ。 僕が自分の父親でもあり、我が重臣でもある国務大臣にそう愚痴ると、彼は優しく、なだめるようにこう言った。 「お前はよくやっているよ。ただ、王様なんてそんなもんさ。損な役回りなんだよ」 「父さん…僕はどうすればいいだろう?」 「そうだな、王子になるっていうのはどうだ?」 「王子?」 「そう。いつの世も王様は嫌われ役、王子様はアイドルだよ」 僕は父に王位を譲り、自分は王子になる事を決めた。 どこか騙されている気もしないでも無かったが、これで国民の人気が取り戻せるなら安いもんだ。親父、この国をよろしく頼むよ。 スタイリストが持ってきた王子様の服は、何故かキャップに半ズボンという完璧なテニスルックだった。今一番人気のある王子様のカッコという事らしいが、冬はちょっと寒いなあ。
by taketoshinkai
| 2004-12-04 16:04
| うそ日記(新国家)
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